ここでは、バスドラムをオープン奏法で演奏する様々なメリットを紹介したいと思います。大きく分けて4つのメリットがあるとぼくは考えています。
音がいい
まずこれですね。何よりこれです。オープン奏法は音がいい。ぼくはオープン奏法が使えるようになってからはオープンしか使っていません。アタックと胴鳴りのバランスが良く、鳴らしていて気持ちがいいです。
ただこれは個人の好みの部分ですね。ローピッチのがっつりミュートのバスドラムをクローズ奏法で樹脂ビーターとかでベチっとタイトに鳴らす音が好きな人も多いと思いますし、音楽によってはそういう音が求められることもあると思います。
アコースティックな温かみのある音や、迫力のある音圧などが欲しい人はオープン奏法が合っているんじゃないかなと思います。
リラックスして演奏できる
バスドラムをヒールアップでクローズ奏法を使う場合のレディポジションでは、ビーターがずっとバスドラムに触れている状態です。
この状態はペダルのバネが伸びている状態なので、バネの反発を脚で押さえ込んでいる状態でもあるわけです。脚の重みを利用しているし、脚の力は強いので微々たる力ではありますが。
一方でオープン奏法のレディポジションはビーターがヘッドから離れます。ペダルにただ足を乗せているだけの状態です。この状態はバネの反発を受けていないので、よりリラックスしやすい状態だと思います。
ヒットする時も、ビーターを止めるために踏み込む力をコントロールする必要があるクローズに対し、オープンはそのままリバウンドを吸収するだけなので楽です。
このクローズとオープンの力加減の差は、試しにマレットでフロアタムを叩いてみるとよくわかると思います。
バスドラムのクローズ奏法のように、マレットをフロアタムの打面でノイズなく綺麗に止めるには結構力が必要です。これがペダルを使って鳴らすバスドラムの場合、打面からの反発に加えて、バネの戻ろうとする力を脚でうまく抑え込む必要がるわけです。マレットで比べてみるとオープン奏法の方が力を必要としないのがわかると思います。
ハンドテクニックで例えると、クローズがダウンストロークでオープンがフルストロークのようなイメージでしょうか。そんなに大きな差じゃないかもしれませんが、ぼくの場合はオープン奏法に切り替えてからは体がかなり楽になったと感じています。
音量が出る
オープン奏法はクローズ奏法よりもバスドラムの音量を出すことができます。
これも、マレットでフロアタムをクローズとオープンで叩いてみるとわかります。クローズの方がアタックが出るので大きい音が出ていると思いきや、オープンの方が音量は出ていると思います。
まあクローズはビーターでヘッドをミュートする奏法ですから、ミュートされる分だけ音量感が減るのは当然といえば当然ですね。同じ力だとすると、より音量が出るのはオープン奏法です。
どんなサイズ、チューニングのバスドラムでも踏める
オープン奏法だと、どんなチューニングのバスドラムでも踏めるようになります。クローズ奏法よりも守備範囲が広いという感じです。
クローズ奏法だと、ハイピッチ、小口径、ノーミュート、フロントホールカットなし、このいずれかの状態のバスドラムの場合はヘッドからの反発が強くなるので、より反発を押さえ込む力が必要になります。少しコントロールが難しくなるわけですね。
ぼくの場合ですが、押し込むために変に力が入ってしまって演奏が崩れてしまうことがよくあります。もちろん踏みやすくチューニングすればいいのですが、それはそれで音色の幅は狭まります。
これがオープン奏法では「多少リバウンドの感触が変わるな」という程度です。ビーターをコントロールする必要はありますが、力の入れ方を変えたり、より力が必要になるということはありません。むしろ、手のダブルストロークと同じで、打面からのリバウンドが強い方が慣れると楽です。
まとめ
いかがでしたか?
- 音がいい
- リラックスして演奏できる
- 音量が出る
- どんなサイズやチューニングのバスドラムでも踏める
この4つがぼくが感じているオープン奏法のメリットです。音色の良さと演奏が楽になるというのが特にいいところですね。
ぼくは昔のドラマーの映像を見ていて、フロントヘッドに穴がない方がかっこいいなと思うようになって、オープン奏法に取り組み始めました。完全に見た目から入ったんですね。でも、試すと音がいいのでやった方がいいなと思い試行錯誤してきた感じです。
クローズ奏法しかやったことがない人は、一度貸しスタジオなどのバスドラムのミュートを外してオープン奏法を試してみると楽しいと思います。
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