バスドラムをヒールアップのオープン奏法で演奏する方法

ぼくはバスドラムをオープン奏法で演奏しています。オープン奏法とはあれですね、バスドラムをヒットした後、ビーターをヘッドから離す奏法です。クローズ奏法よりも音量が出てバスドラムの自然な鳴りを得られると言われています。

ぼくの場合はこのオープン奏法をネットの情報などをもとに独学で身につけたのですが、かなり苦労しました。

というわけで、ここではバスドラムをヒールアップのオープン奏法で演奏する方法を考えていきたいと思います。

そもそも使っている人が少ない?

これはぼくの体感ですが、アマチュアのロック、ポップスドラマーのほとんどの方がバスドラムをヒールアップのクローズ奏法で演奏していると思います。

なぜそうなっているのかというと、貸しスタジオによくあるような、レモのパワーストローク3やピンストライプが張ってあってフロントヘッドはホールカットされていて中には毛布などでがっつりミュートされたバスドラムでは、クローズ奏法が踏みやすいし簡単に音量が出るからだと思います。

もしかしたらプロでもヒールアップのオープン奏法は少ないのかな?と思ったりします。

というのも、ぼくは音楽専門学校に通っていたとき、10人ほどのプロドラマーの先生の踏み方を見る機会がありましたが、ぼくが見たところだとオープン奏法を使っている人はジャズでヒールダウンを使っていた方一人だけだったからです。

他の先生はハードロック、ロック、ポップス、ソウル系、ラテンなど様々でしたが、皆ヒールアップでクローズ奏法でした。

つまり、ぼくが通った音楽専門学校にはヒールアップでのオープン奏法を使っている人は一人もいなかったんです。

<追記>ふと思ったんですが、学校のドラムセットはパワーストローク3にホールカットでスポンジミュートされているバスドラだったし、課題曲もオープン奏法が合うような曲が少なかったから、普段オープン奏法とクローズ奏法を使い分けている先生もぼくが目にする授業ではクローズ奏法しか使っていなかったのかも?ぼくは一番下のクラスで学んでいて、表現の細かなニュアンスの部分に言及することは少なく、とにかく譜面通りに演奏できるかどうかというレベルで止まっていました。

授業でオープン奏法の話は出ましたが、実演してもらって学ぶ、といった授業はなかったです。

使っている人が少ないから情報も少ない気がしています。

ヒールアップでオープン奏法を使う難しさ

ヒールアップでオープン奏法を使うには、体のバランスが大事になってきます。ぼくは特にレディポジションが重要だと思っています。

クローズ奏法であれば、レディポジションはヒールアップで脚の重みが常にペダルに掛かっているため、ビーターがヘッドについている状態で安定しています。これは体のバランスが取りやすいですね。

一方、オープン奏法ではレディポジションで常にビーターがヘッドから離れているわけです。この状態をかかとを上げたヒールアップの状態で維持するのが難しい(レスポンスの良いペダルは特に)です。ビーターがゆらゆら動いてヘッドに触れてしまって、打つ前や後など意図しない時に音が出てしまいます。

ぼくがクローズ奏法で使っていた踏み方(習ったものなので一般的だと思いますが、縄跳びをする要領で足首をバネのようにして踏む方法)だと、オープン奏法のレディポジションから地面(ペダル)を蹴り上げて脚を振り上げる予備動作でビーターが動いてしまって音が鳴ってしまいます。

ビーターがヘッドから離れたオープン奏法のレディポジション(わかりにくいかもしれませんが、かかとは浮いています)

ここから足首の力で足を振り上げようとすると、、、

ペダルに圧がかかり、このようにビーターがヘッドに触れてしまって、ドンと踏む前に意図しない小さな音が鳴ってしまう。

バスドラムをヒールアップのオープン奏法で演奏する方法

じゃあどうすればオープン奏法ができるようになるのか、ぼくは3通りのやり方を試しながら身につけていきました。

1.ペダルのバネを強くしてみる

まずはペダルのバネを強くしてみます。

そもそも最初の設定が個人の好みだろという話ですが、ぼくはバネが弱い方がやりやすい派で、ペダルのバネは最弱にしていました。

これはヒールアップの姿勢を取るだけですぐにビーターがヘッドに触れてしまうくらいの弱さです。これだとクローズ奏法はやりやすかったんですね。でも、オープンには向かないのではないかと。というわけでこのバネをちょっと強くしてみます。

するとヒールアップの姿勢にしても、ちょっとやそっとの脚の動きではビーターがヘッドに触れなくなります。要するに脚の重さに耐えられるバネの強さにするわけです。これにより、振り上げる予備動作でビーターがヘッドに触れてしまうのを回避できます。

しかし、バネの力が強くなるのでバネを弱い設定で慣れている人はちょっと大変かもしれません。ペダルが重く感じるようになります。

2.踏み方を変える

ぼくはクローズ奏法を音楽専門学校で学びました。先に書きましたが、この踏み方は足首を使うもので、座った状態でジャンプするような踏み方です。足首の力で地面を母指球で蹴り上げるんですね。

オープン奏法ではこの踏み方を変える必要があるんじゃないかと思っています。足首のような体の末端側ではなく、体の胴体側の筋肉を使って、脚を全体的に動かすというイメージです。

具体的には、お腹のあたりにある腸腰筋という筋肉を使っているらしいです。足首よりも脚の付け根の部分の力を使うイメージで脚を全体を持ち上げる感覚です。

この踏み方は、足首だけで踏んできたぼくにとっては慣れるまではかなり大変でした。ただ、感覚としては前よりも楽に踏めるようになった気がしています。リラックスしやすくなりました。

3.レディポジションをヒールダウンにしてみる

ヒールアップでビーターがヘッドに触れない姿勢が難しい、となればレディポジションをヒールダウンの姿勢にしてみます。まあ普通に椅子に座っている感覚と同じ感覚ですね。

この状態から、踏む直前にスッとかかとをあげてヒールアップ状態にして打ち、すぐまたヒールダウンに戻ります

文章にするとなんだかやることが多くて忙しそうな動きですが、慣れてしまえばなんの意識もせずできるようになります。ヒットと同時にヒールダウンの状態に戻れるようになります。

これができるようになったら、打ったあとにあえてヒールダウンに戻らずヒールアップの状態をキープするということもできます。こうすると、よりパワーがペダルに伝わって音量を稼げるので、この使い分けだけでも表現の幅が広がります。

おわり

いかがでしたか?

ぼく自身まだ試行錯誤の最中なのですが、今まで試したことはなるべく言葉にしてみました。

ぼくの場合は、まずペダルのバネを強くしてみて、オープン奏法自体に慣れてから踏み方をクローズでやっていた時から変えてみたり、ヒールダウンのオープンを使ってみたり、上の3つの方法を色々試しながら徐々にクローズからオープンへ移行していきました。できるようになってからはバネは最弱に戻しています。

大きいのはやっぱり踏み方だと思います。ぼくは踏み方の意識を大幅に変えることによってオープン奏法を身につけました。縄跳びの要領で足首の力で踏むクローズの踏み方のままオープン奏法に移行するのは難しいと思います。

踏み方に関してはまたの機会にもう少し詳しく書ければなと思っています。

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