ヴィック・ファースは曲がらない

ドラマーの日記

ここではおすすめスティックメーカーのVic Firth(ヴィック・ファース)について、ぼくの実体験をもとに紹介してみようと思います。

ヴィック・ファースのスティックは
とにかく曲がらない んですよ!

ぼくが初めて買ったスティックはヴィック・ファースのメタルというスティックでした。

「とりあえず大きな音の出そうなスティックを」といういかにもアホそうな理由で買ったものです。このモデルは今もあるようで、サイズ16.0×434mmというなかなかのスペックです。まさにメタルという感じ。

そもそも標準がどのくらいなのかとか、自分にとって使いやすいのが何かとかすらわからない初心者だったので、その店に売っている一番大きなスティックを買ったという記憶があります。

使い方は雑でした。「スティック折ったらロックだぜ!」という謎の思考回路のもと、スティックを消耗品としてボロボロにしていました。

当時はNIRVANAがライブでドラムセットを壊していた映像を見て「うおおおおかっけええええ」と思っていたりもしました。そんなようなロックの破壊的な部分にかっこよさを見出し、スネアの2拍4拍をぶっ叩きながら、ヘッドを破ることを目標にしていました。

「ヘッドを破るのが目標?なんだそれ」って今は思うんですけど、雑誌で読んだんですよ。NIRVANAのドラマーのデイヴ・グロールがライブ中にスネアのヘッドを破り、カート・コバーンが嬉しそうに客席にそのヘッドの破れたスネアを掲げたというのを。そんな記事を発見し「ロックだああああ」などと思っていたわけです。

パワー、それすなわちロックという思考回路でした。

というわけで、すぐスティックをダメにしていて、スティックを買うことが多かったんですよね。でもギターのピックとは違って、消耗品にしては意外にお高いのがドラムスティックです。

そんな中でミュージシャン御用達ネットショップのサウンドハウスを知りました。

サウンドハウスはとにかく安かった。もちろん今も安いですが昔はもっと安かったです。ただ、今より安かった分、送料が高かったんですよね。なので、欲しいものがいくつかたまってきたら注文するという使い方でした。

サウンドハウスでは、スティックはダースで買ってしまえばさらに安上がりだったので、思い切ってダースで買ったりもしていました。

飽き性のぼくは、ダースで買ったスティックを使い切る前に他に興味が湧いたモデルを買ったりしていました。確実に使うモデルはダースで、それを注文するタイミングでお試しで使ったことがないモデル、みたいな感じで。

なので家には使っていない新品のスティックが大量にありました。今考えるとアホなお金の使い方です。サウンドハウス の存在を知って、その安さにテンション上がって、いらないものも買ってしまうという、、、まあ、今まで店で買っていた値段の半額くらいでスティックが買えたので、、、

そんなこんなして過ごしているといつの間にか20代後半になり、ぼくがやっていたバンドが解散してしまいます。と同時にぼくはドラムを叩くこともやめてしまいました。

2〜3年くらいはドラムから離れていました。そして再びドラムを始めた時、昔に使っていたスティックを引っ張りだします。

その時、多くのスティックは曲がってしまっていたんですが、ヴィック・ファースのスティックだけは曲がっていなかったんです!

同じ価格帯の、有名なスティックメーカーのスティックが結構曲がってしまっているのに、ヴィック・ファースは曲がっていない。同じ環境で保存(スティックケースとか机の引き出しとか。まあ保存というか放置ですね)していたのにもかかわらず、ヴィック・ファースのスティックだけは曲がっていなかったんですよ!

この時、そういえば昔、沼澤尚さんが自身のシグネチャーモデルのスティックを作った時に「ビックファースにしたのは、絶対に曲がらないから」と言っていたことを思い出しました。ドラムマガジンの記事だったと思います。

沼澤さんのモデルでぼくが今も持っているのがこの8ANというモデル。TN/8ANというこのモデルは素材はヒッコリーでサイズは13.8×409mm。標準よりちょっと細長めでチップが小さめのスティックという感じで使いやすいです。
沼澤さんのシグネチャースティックはジェフ・ポーカロ氏のお父さんのジョー・ポーカロ氏と沼澤さんが共同開発したもので、ダイヤモンドチップが売りのモデル。ダイヤモンドチップは小音量でも輪郭のはっきりしたシンバルサウンドを得られるのが特徴。他にもいくつか種類が出ています。

当時は「いやいや絶対曲がらんって言い過ぎでしょーパール(沼澤さんが契約している)がビックファースと提携したからでしょー」などと半信半疑で記事を読んでいたんですけど、沼澤さんの言っていたことは本当でした。

スティックって木なんで、長期間ほったらかしておくと乾燥して曲がってしまうのが普通ですよね。楽器屋さんで買うときも、ちゃんと確認しないと曲がっているスティックがあったりもするくらいのものです。

でも、ヴィック・ファースは曲がらない。なんでかわからないけど曲がらない。他のスティックが「えーこんなに曲がっちゃうの?」と思うくらい曲がっているのに対し、ヴィック・ファースだけはなんともまっすぐ綺麗なものでした。これは衝撃的な体験でした。

というわけで、ただのぼくの思い出話になってしまいましたが、とにかく言いたかったことは「ヴィック・ファースのスティックは曲がらない!」これだけです。

ぼくが主に使っているVic Firthのスティックです。右からキース・カーロックモデル、スティーブ・ガッドモデル、つのだ☆ひろモデル、SD2 BOLEROです。
ちなみにガッドモデルは当時ダース買いしたもので、まだまだ新品。下手したら10年以上経っているかもしれませんが曲がっていません!なぜ曲がらないんだ!すごいぜヴィック・ファース!!!

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