先日、昔バンドをやっていた友人から「アコギ2人で路上でやりたいからドラム叩いてよ」という誘いがありました。
そもそも人から誘われるということがないので、嬉しくてテンションが上がり、即答で「やる」と答えました。
しかし路上でドラムを叩くとなると、ドラムセットを自分で用意しないといけません。普通のドラムセットは持っているけど、アコースティックギターの路上演奏に合わせてドラムのフルセットというのは音の面でも取り回しの面でも現実的じゃない気がします。
というわけで「カホンでやる」ということでひとまず落ちつきました。
ただ、カホンと言ったはいいものの、そういえばぼくはカホンは持っているけどそんなに演奏したことがないんです。手が痛いのが嫌だった思い出が蘇ってきたのでロッドとかでやろうかなとか色々考えていたところ、どうせなら小口径ドラムセットを使いたいなあと思いはじめ、色々とネットを漁っていました。
とりあえず、ぼくの現在の手持ちの楽器を組み合わせると、小口径のバスドラムさえあればなんとかなるなあという答えに行き着いたので、ここでは小口径バスドラムの選択肢を考えていきたいと思います。
小口径ドラムセットに求めるもの
まず、ぼくが小口径ドラムセットに求めるものを整理しておきます。気にするところは3つ。
- 持ち運び
- 音
- 汎用性があるかどうか
です。
持ち運び
小口径ドラムセットは、どうせなら電車でも持ち運べるくらいのサイズ感 だと嬉しいなと思います。
アコギ一本で家を出るように気楽な感じでドラムセットを持っていけるのが理想ですね。小さくまとめられて、軽ければなおよし。
一人で一度に運べなかったり、車じゃないと運べないものなら、もうそれは普通のドラムセットです。
もちろんアンサンブルする楽器だったり会場などに合わせて音量や音圧の調整としての小口径ドラムというのもあると思いますが、とりあえずここではそうではなく、ドラムセットに携帯性と機動性を求めたいと思っています。
音
小口径ドラムセットに音をどこまで求めるか、これは難しいところです。サイズが小さくなると当然ながら豊かな低音は失われてしまいます。
ぼくの場合はやっぱりカホンだとあんまり楽しめなかったため(練習してないからというのが大きいでしょうが)小口径ドラムに行き着いたところがあります
というわけで、ある程度音は我慢するにしても、叩いていて楽しいと思えるかどうかを重視したいと思っています。
となると、ドラムセットっぽい感じで演奏できて、音もそこそこ良ければいいかなと。パーカッション的な要素はあまりいらないかなと思っています。
汎用性があるかどうか
汎用性というのはつまり、普通のドラムセット使用時でも使えるかということ。
例えばカホンをバスドラムとして使えるようなペダルが売られているんですけど、値段が結構高い上に「カホンをバスドラムとして使う」という選択肢以外では使い道がないので、ぼくの場合はあんまりいらないかなと思いました。
逆に、ぼくはスプラッシュシンバルを持っていないんですけど「小口径ドラムのためにスプラッシュを買う」とかならスプラッシュは普通のドラムセットでも使う時もあると思うので、この機会に買ってもいいかなと思ったりします。
どうせお金を出して買うものならば、普通にドラムセットを演奏する時も使える、汎用性があるものがいいなと思っています。
小口径バスドラムの選択肢
ネットを物色しつつ、色々考えてみた結果、小口径バスドラムの選択肢は大きく分けて5つありました。
- フロアタム
- カホン
- 市販の小口径ドラムセット
- スーツケースドラム
- パンデイロ
それでは見ていきましょう。
フロアタムをバスドラムに
フロアタムは横に倒せば、すぐに小口径バスドラムとして使えます。
フロアタムレッグをつけるところを利用してバスドラムの足をつければいいわけですね。パールからそういうアタッチメントも出ているし、市販されているものを使わなくても、すぐにできそうです。
フロアタムはそのまま自立した状態で、裏のヘッドをペダルで叩くことでも小口径バスドラムとして使えます。カクテルドラムの仕組みです。
この動画はカクテルドラムなんですけど、バスドラムとして使うだけなら、普通のフロアタムと、ペダルのカムを逆に入れ替えたペダルと、フロアタムレッグとペダルを固定するアタッチメントがあればできます。裏はバスドラム、面はタムとして使えますね。
ぼくは昔に試したことがあるんですけど、ペダルは手持ちのものを分解してカムを逆にすればできますし、アタッチメントも売っているものでなくても針金などを使ってペダルとレッグを固定すれば自作できます。
長くなるので別記事で書きました↓
フロアタムを使ってカクテルドラムのような小口径バスドラムを作る方法
フロアタムを小口径バスドラムとして使うのは、簡単にできます。が、フロアタムって小口径セットにしては単純にサイズが大きいという難点もありますね。
カホンをバスドラムに
カホンをパーカッションとして手で叩くのではなく、バスドラムに見立てて使うというやり方はドラマーにとっては割と一般的かなと思います。
ペダルをつけてかかとで踏むというやり方もあるし、普通にバスドラムの位置に持っていってもいいと思います。ビーターを工夫すればバスドラムのようないい感じの音が出ます。マイクを通せば本当に驚くほど良い低音が鳴ります。
最近はカホン専用のペダルも充実してきているのでこれを使うのもいいですね。ビーターも専用で出ているので選択肢は広がります。
カホン自体も色んなメーカーが出していて充実しているので、ドラマーがドラムセットなしでやるとなった時の最初の選択肢がカホンになるのかなと思います。
あとはパールがカホンケースがバスドラムになるという商品を出していて、これがまた面白そうだったりします。カホンの分野は今後もどんどん充実していきそうですね。
市販の小口径ドラムセット
昔はパールのリズムトラベラーくらいしかなかったような気がしますが、最近はメーカーも小口径ドラムセットに力を入れているようです。結構たくさん出ています。そういうニーズが多いんでしょうね。
中でもぼくが良さそうだなと感じたのがTAMAのカクテルドラムです。
いやーこれはかなりいい感じなんですよねー。市販の小口径ドラムって、音を取るか携帯性を取るかというところのバランスで個人的にバチっとハマるものがなかったんですよ。そこに「これだ!」というものが来た感じがします。
バールのリズムトラベラーだと携帯性は文句なしだけど音がちょっとなーという感じで、16インチバスドラムキットとかよくあるタイプの小口径ドラムセットは音や感触はいいだろうけど携帯性がなーと思っていて、その中間がこのタマのカクテルドラムという感じがします。
他にも小口径ドラムセットは色々売られていますし、市販のものを買うというのは一番安定した選択肢かなと思います。
スーツケースをバスドラムに
スーツケースやキャリーバックのような、何かしらのケースをバスドラムと見立てて使う方法もあります。
意外とバスドラムっぽい、いい音がしてますよね。その上、持ち運びは言うことなし。バスドラにしているスーツケースを本来のケースとして使用できます。
ただ、見た目がカバンそのものなので、ちょっとなーという気もします。まあ、カホンも元はたしか棚とか箱なので同じようなものですが。
あとは加工の問題ですね。当然ながら自分で作る必要があります。気に入ったスーツケースを見つけて、それに合わせてペダルを固定できるようにしなければなりません。
動画のようにペダルを固定するためにケースにネジ穴を開けて加工するってなるとハードルが高い気がします。
そういう意味では、ここで紹介している他の方法よりも若干難易度高めかなと思います。
パンデイロをバスドラムに
ぼくはよく知らない楽器なんですが、サンバやボサノヴァで使われるパンデイロという楽器も小口径バスドラムに使えるようです。
見た目はタンバリンみたいで、バスドラムにしては頼りないですが、意外とローが出ています。
ちなみに動画のパンデイロはちょっと特殊で、ドラムを叩いているスタントン・ムーア氏の自身のモデルです。普通は手で叩くものを、スティックでも叩けるようにとレモのドラムヘッドを張っているようです。
さらに、ドラムセットに組み込めるようにマウントベースが付いています。これを利用してバスドラムにもできるようですね。
見ればわかる通り、パンデイロは小さいので、小口径バスドラムとして考えると持ち運び面では文句なしです。
目的に合わせて選ぼう
というわけで長くなりましたが、小口径バスドラムをどうすればいいのか考えてきました。
選択肢が多いだけに、どれにするか悩ましいところです。全部試したくなってしまいますね。
もし悩んでいたら、どういう目的で小口径ドラムセットを使いたいのか考えてみるとなんとなく決まってくると思います。
「小口径はとにかく持ち運び重視」という場合もあるだろうし、「できれば手持ちの楽器を併用したい」という場合もあるだろうし様々な判断基準があると思います。
ぼくの場合はドラムセットに近い形で演奏できて、音はそこそこ良くて、汎用性がある、そして持ち運びが楽ということを踏まえて、パンデイロをバスドラムにして小口径ドラムセットを組んでみようと思っています。
というか、すでにスタントン・ムーアモデルのパンデイロをネットでポチりました。ポチってから商品が届くまでの間、いてもたってもいられないのでこのブログを書いた次第です。
届いたらまたこのブログで報告したいなと思っています。ではでは。
コメント