ドラムが上手くなりたいのなら、ブラシを使えばいいじゃない

ドラマーの日記

どうも、最近ブラシの練習にはまっているぼくです。
「もしかしたらブラシ使った方が合うかな?」という課題曲がありまして、見よう見まねで試行錯誤しております。

ブラシの基本は音楽専門学校時代に一応は教わった事があるんですけど、その時からなにもしていないので今でも初心者レベルです。

そんなぼくがブラシを練習し始めてちょいちょい気がついた事があるのでここで書いていこうかなと思います。まあタイトルは気にしないでください。ただの日記になります。

ブラシのスウィープについて

ブラシといえばスウィープですよね。そう、スネアのヘッドをこする動きです。

まあこれがロック・ポップスなどの音楽を聴き、そういう音楽がやりたいと思ってドラムを始めた人間(ぼく)にとってはとっつきにくい動きな訳です。

スウィープ楽しくない時代

ぼくは専門学校でブラシを使ったドラムのスタイルを初めて知り、訳も分からず教わっていました。

正直「こんなことしててなにが楽しいの?」と思っていました。ドラム=叩くものという認識があったんでしょうね。スウィープのサラサラした音もあんまりいい音だなあとは思えませんでした。

そもそも、ブラシが使われている曲も知らなかったので、本当にただ動きだけをコピーしているだけの感じで。教えてもらっても、まあ当時はロック大好き人間で音楽を聴く幅が狭かったのでほとんど聴いていませんでした。

そんな意識ではブラシは楽しくありません。ただ言われた通り腕を動かしているだけなのでどうしても音楽に結びつかなかったんですね。特にスウィープするだけのスローバラードとか。

スウィープ楽しい時代

最近になって、言わば必要に迫られて形でブラシを始めたことでこの意識が変わりました。今ではブラシでの演奏を楽しんで練習しています。

昔と違ってブラシが楽しくなった理由はいくつかあります。

ひとつは、ブラシのスウィープを1拍の表現方法として捉えられるようになったからかなと思っています。

以前はただただ形から入った感じがありました。「こういう円運動をブラシでやるんだ!」と学んだことを一生懸命やるだけ。まあ動きは覚えられたけどそこから先の発展はなかった。

今はあの頃よりもリズムの中で1拍の音の長さなどを意識してドラムをやっているので、その表現としてスティックからブラシに持ち替えただけという感じで気負いなくブラシに取り組めています。

昔はなかった「打楽器で音の長さを表現しようという意識」が生まれたことで、スウィープをただの動きでなく、音楽的に捉えられるようになってきた(まだまだですが)のかなと思っています。

やっぱりスティックよりもブラシの方が音の長さを意識してドラムを演奏しやすいので楽しいんですよね。新たな表現方法を学んだ感じでした。イメージとしては始めてハイハットオープンができるようになった時の感じでしょうかね。

ドラム練習ツールとしてのブラシ

ブラシはドラムを練習するためのツールとしてみても優秀だと思います。例えば「メタルをやっているからブラシなんて絶対使わない!」というドラマーの人でも、練習はした方がいいと思います。

なぜなら、より良いドラマーになれるからです。同じようなことを音楽専門学校でも言われた気がするんですけれど、今、身をもって実感しています。

ブラシは自宅練習に最適!

ブラシのなにがいいって音が小さいことなんですよ!!

そんなことかよって思うかもしれないんですけどイヤイヤこれはでかいです。自宅練習が捗る捗る。音が小さいので、深夜に思い立った時なんかに練習できるのが嬉しいです。

自宅練習の音量対策って、練習パッドで音の小さいやつを選ぶというのが一般的だったりすると思うんですけど、ドラム側ではなくスティック側の音を小さくするというのも驚くほど効果的です。

でもあんまり言われていない気がしますね。自宅練習の防音対策を考える前に、一度ブラシを手にとってみるといいと思います。

スティックコントロールのチェックに

消音効果もさることながらブラシでの練習はドラムの上達にもつながります。これはブラシ特有の演奏であるスウィープの部分ではなくてスティックコントロールの部分でですね。

ブラシはリバウンドの感じがスティックとは違います。スティックよりもコントロールが難しいので、スティックでできる事がブラシではできなかったりします。

逆に、ブラシでできることはスティックでは絶対にできるので、ブラシ中心にスティックコントロールを練習しても十分に意味があるというわけです。

なのでブラシの練習はスティックコントロールの基礎(音色とかニュアンスとか細かな練習じゃなくて基礎中の基礎の部分)の底上げに最適だと思います。

というわけで、スティックでできるようになったことをブラシでやってみて自分のスティックコントロールをチェックする、というような使い方ができます。

とくにダブルストロークの粒立ちなんかはブラシでやると本当に練習になるなーと思います。

脱力を学べる

ドラムの演奏には体の力を抜く事が必要になってきます。まあいろんなところで言われていますね。

この脱力を学ぶのにもブラシは適しています。ぼくはブラシを使い始めた事でグリップの脱力感をまた一段と意識できるようになったと思っています。

これは上に書いたことと違ってスウィープの部分でですね。

ブラシでスウィープする時、実はブラシはほとんど持たなくてもいいんです。なぜならブラシはスティックのように跳ね回らずにヘッドによって支えられているからです。つまり、落とす心配がないので握る必要がないんです。

「握る、持つ」ではなく「支える」ですね。ブラシ自体の重さはヘッドに預けて、あとは手で支えているだけでいいんです。極端に言ってしまえば、ブラシを持たなくてもいいということです。

昔、グリップについて音楽専門で先生に「スティックは落とすか落とさないかってくらいの感じで持って、ほとんど握らなくていい」と言われたことがあるんですけど、当時は「いやいやそれじゃコントロールできないじゃん」とか思っていたわけですよ。

スティックって振り回しているときに、上手く扱えなくて手の中で暴れてしまうから握ってしまうんで。それが無駄な力みの元だったりスティックの自由な動きを制限してしまって、上達の邪魔になっているというのは今では理解できるんですけど当時はわからなかった。

スウィープの練習をしていると、スティックを扱うよりもかなり小さな力でもブラシをコントロールできることに気がつきます。「ここまで脱力しても演奏ができるんだ」と分かるわけです。

ブラシで落とせる状況(というかヘッドに触れているのですでに落ちている状態ですね)でコントロールすることで、当時の先生が言っていた落とすか落とさないかくらいのギリギリの感覚がわかってきた気がします。

これはほんのちょっとの違いだとは思うんですけど、ぼくにとっては大きい感覚の変化でした。

この脱力の感覚はスティックでは得られにくいものだと思います。ブラシを使うことによって脱力を学び、その感覚をスティックの扱いにも持っていければ、かなり良いんではないかと思います。

ブラシの練習環境

ブラシはドラム練習でよく使われるゴム製の練習パッドではスウィープの練習ができません。コーテッドヘッドのようにザラザラした表面でないとスウィープ音が出ないからです。(ぼくが10年以上使っているHQのゴムパッドはボロすぎてゴムがひび割れているのでスウィープ音が鳴りますが笑)

一番良いのはコーテッドヘッドが使われている練習パッドでしょうね。ただ、そういうものがない場合でも要は表面がザラザラしたものならいいわけです。紙でもダンボールでも。

ぼくはブラシの練習といえば新聞紙が良いと聞いた事があります。たしかに新聞紙の紙のザラザラ感はコーテッドヘッドに近い気がしますね。ただぼくはなんとなく、新聞紙のインクがブラシに着きそうで嫌なだなと思うのと気分的な意味で使い古しのヘッドを使ったりしています。

ほかに最近はヘッドを買った時の箱を使っています。evansのカーフトーンってやつを買ったんですけど、その時についてきた箱がいい感じで。安っぽい厚紙でいい感じにザラザラしているのでスウィープが気持ちいいです。

なんか海外の段ボールは硬くて目の荒い感じが多いのでブラシ練習には適しているかもしれませんね。

EVANS カーフトーンの箱とVIC FIRTのスティーヴ・ガッドモデルのブラシ(VIC-SGWB)。ブラシは、何を買えば良いのかわからなかったとき、ガッドがクラプトンのバックで普通のスティックのように扱っていて太くて暖かい音を出していたのに憧れて購入してみたもの。前端が折れ曲がっているので面であたり音量が稼げるという特徴がある。
折れているので向きがある、正しい位置で使うとメーカーロゴとガッドのサインが下に来るようになっている。
消えかかってるけど裏返すとこのようにサインが。演奏時には見えないサイン。この主張のなさ。ガッドの謙虚さが表れているようで好き。

おわり

というわけで、ブラシを練習することにはまっているよという日記でした。ブラシは音が小さいので自宅練習に最適な上、ドラムの上達にも適しているので触ったことがない人はとりあえず買ってみるのもアリだと思います!

コメント

タイトルとURLをコピーしました